8日に心不全のため亡くなった俳優で歌手の安岡力也さん(享年65)。追悼記事の多くは闘病生活や家族への愛を語っているが、実にハチャメチャな人物でもあった。力也さんを長く取材してきたプロインタビュアー・吉田豪氏が、不世出の「最強伝説」をここに記す。 * * * 力也さんといえば数々のケンカ伝説があるわけですが、そのエピソードにも、いちいち力也さんの優しさが見える。 力也:これは名前出したくないんだけど、あるプロレスラーがビブロス(赤坂にあったディスコ)に他の悪役レスラーといたとき、下の方でギャーギャー女の子の声が聞こえるんだよ。女の子が逃げ回ってて、周りの男の連中も止めるに止められねえみたいでな。 俺、ビブロスでは一応番長みてえなことやってたから、「どうしたんだ?」っていったら、女の子が俺の後ろに隠れたんだよ。それで、あるプロレスラーが俺の襟首を掴みやがったんで、「なんだ、この野郎!」って表