派遣労働者保護の動きが高まっているが、彼らの生活は苦しくなる一方のようだ。将来を描けず、思い悩む彼らの声を拾っていく。 2008年秋のリーマン・ブラザーズの倒産が引き金となった、世界的な金融危機。日本にも多大な影響を及ぼし、経営不振に陥った企業は、大規模リストラに踏み切った。真っ先に対象となったのが派遣労働者たちだった。 「雇用の調整弁」として製造業で働く派遣契約者を中心に、いわゆる「派遣切り」によって多くの人が職や住まいを失った。08年末には日比谷公園に「年越し派遣村」が出現し、人々に衝撃を与えた。 今でこそ「派遣受難」 の時代だが、昔からそうだったわけではない。 「短大卒業後、寮のある会社で正社員として働いていたんですけど、1人暮らしもままならないほど給料が安かったんです。派遣のほうが、収入がよくなるので派遣で働くようになりました」 38歳の女性、藤田めぐみさん(仮名)は、1999年に
![漂流ハケン社員「給料ダウン、結婚絶望、夢は……」【1】](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e81ce24f7e7f1b2ee2f6fc726fe6ff133132f375/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2F1%2F1200wm%2Fimg_91001fd961deb0894aa8b5a3f474a7a028371.jpg)