岩手県宮古市で2008年7月に少女が他殺体で見つかった事件で、殺人容疑で指名手配されている男の父親(58)が、国や県などを相手取り、公開捜査中止などを求めた裁判の判決が11日、盛岡地裁であった。裁判長は父親の請求を棄却する一方、男を殺人犯と決めつけた捜査ポスターについては「容疑者を犯人と断定し公表することは、無罪推定の原則に正面から反する。社会的に相当とは言い難い」との意見を示した。 訴えていたのは、小原勝幸容疑者(34)=岩手県田野畑村出身=の父親。県警が公開した捜査ポスターは、同容疑者の顔写真とともに、「犯人逃亡中!」「17歳の少女を殺害した犯人です」「犯人発見にご協力を!」と捜査への協力を呼びかけるものもあった。 父親は、公開捜査やポスターなどで息子が殺人犯と断定された結果、親も社会から孤立して精神的苦痛を被り、名誉権・人格権を侵害されたと主張していた。