英国の若き左派論客オーウェン・ジョーンズが、ガーディアン紙にこんなタイトルの記事を書いていた。 「笑いたいなら笑え。我々は今こそ風刺を必要としている」 英国で最も売れている政治雑誌は「Private Eye」だ。が、これは政治家や識者が出て来て専門用語やパーセンテージを使ってポリティクスを語っている雑誌ではない。ジョーク満載の風刺雑誌だ。創刊は1961年。創刊者はモンティ・パイソンに多大な影響を与えた伝説のコメディアン、ピーター・クックである。彼のステージを見て人生を変えられたというモンティ・パイソンのエリック・アイドルはこう言ったことがある。 「当時の政権はこれまでにないほど安定し、絶対的なパワーを持っていた。だがピーター・クックはステージの上で、為政者を時代錯誤の取るに足らない滑稽な存在にしてしまった。もはや彼らの言うことを真剣には受け取れないほどにね。風刺というのは時々そういうことを