【北京=山下福太郎、瀋陽=川瀬大介】中国・北京市にある日本の半導体大手ルネサスエレクトロニクスの主力工場で従業員に新型コロナウイルス感染者が相次ぎ、16日夜から全面的な操業停止に入ったことがわかった。中国政府が今月中旬に「ゼロコロナ政策」を転換し、現在は自由な操業が認められているが、急速な感染拡大が日系企業の生産にも影を落とし始めた。 【写真】ひつぎに納められたコロナ感染者の遺体 ルネサスは操業停止の理由について「安定した稼働と従業員の安心・安全を第一に考えた」(広報)と説明。感染の広がりで人手が足りず、生産ラインの維持が難しくなったという。当初は数日間の予定で稼働を停止し、感染者が減らなければ延長を検討する。 ルネサスが北京の工場を一定期間止めるのは、最初に感染が拡大した2020年1~2月以来。北京の工場は約1000人の従業員がおり、主に家電や産業用機器、自動車向けの半導体の生産を手がけ