新宿の伊勢丹と言えば「ファッションの伊勢丹」と呼ばれる程、現在でも大変人気のあるデパートであると共に新宿の街のランドマーク的存在ですね。しかしこの伊勢丹は新宿の街の歴史を見守って来た生き証人的建物のデパートなのです。 現在と同じ建物が終戦後の一時期米軍に接収されて日本及び周辺国の地図作製が行なわれ、朝鮮戦争時には作戦用地図も作られていたのです。 私の仕事だった航空写真測量会社に入ったばかりの頃、先輩から新宿の伊勢丹で米軍が地図を作っていたんだよとの話を聞いた事があったのを思い出したのが事の発端でした。 長らく忘れていたのですが昨年8月に終戦を扱った「太陽」という映画をみて、戦後の占領軍時代の混乱期が日本の基盤構築の原点ではなかったかと考え、「伊勢丹での米軍地図作成」の史実を追ってみました。