日本における2021年の新型コロナウイルス感染症の死亡者数は約14,000人でしたが、数理モデルを用いた解析から、ワクチンに関する誤情報の問題に現実よりもうまく対処してワクチン接種率を上げることができた場合は431人の死亡を回避でき、対応が現実よりもうまくいかず接種率が下がってしまうと死亡者数が1,020人増えると予測されました。 仮に現実よりも3か月早くワクチンを導入できた場合は7,003人の死亡を防ぐことができ、逆にもし3か月遅れた場合はさらに22,216人が亡くなっていた可能性のあることがわかりました。 本研究では、日本において誤情報とワクチン導入のタイミングが及ぼした影響の程度を定量化することに成功しました。今回のモデルとそれによって得られた知見は、つぎのパンデミックが発生した際など今後のワクチン接種戦略を考えるのに役立つものとなります。 東京大学国際高等研究所新世代感染症センター
