ダグラス・エンゲルバート 私のヒーローは、ダグラス・エンゲルバートである。彼が存在しなかったら、自分自身も存在しなかっただろうと思うほど、自分にとってかけがえのないヒーローなのである。 伝説的デモンストレーション 1968年、米国サンフランシスコで開催された国際会議FJCCで、彼は「NLS」という画期的なオフィス情報システムのデモを披露した。現在我々が日常的に利用しているハイパーテキストやアウトラインプロセッサー、マルチウィンドウ、グループウェア、そしてマウスなど、モダンコンピューティングの基礎となる数々の発明を40年も前に生み出し、実際に稼働するシステムを聴衆の前で実演して見せたのである。 このデモの聴衆の中に、パーソナルコンピューターの父と言われるアラン・ケイがおり、強いインスピレーションを受けたというのはあまりにも有名なエピソードだろう。 ダグラス・エンゲルバートの偉業は、コンピュー
![石井裕の“デジタルの感触” 第29回 「私のヒーロー」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d8c9d859051b9611fdb7c00d4223f381343a23b5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fascii.jp%2Fimg%2F2007%2F07%2F15%2F20209%2Fl%2F9e56cd4640b336b4.jpg%3F20200122)