→紀伊國屋書店で購入 甲骨文字を手がかりに殷代の社会を読みといた本であり、同じ著者の『甲骨文字の読み方』につづく本である。 殷代を知るには甲骨文字の知識が不可欠だが、甲骨文字を学ぶのにも殷代の知識が必要である。『甲骨文字の読み方』には殷代の社会が簡単に紹介されていたが、本書では甲骨文字が紹介されている。二冊の本は三割程度の内容が重なっているが、もちろん、両方読んだ方が理解は深まる。 甲骨文字の存在が世に知らされたのは20世紀になってからだが、その時、驚きをもって受けとられたのは、甲骨文字から復元された殷王朝の王の系譜が『史記』の中に残された系譜と一致していたことだった。『史記』の権威はいよいよ高まった。 という話は甲骨文字の解説文でおなじみだが、実際は若干のズレがあった。その事実にはじめて気がついたのは日本の島邦男で、1950年代に論文に書いているという。 契~微までの遠祖と中壬・沃丁・廩
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