「政界一寸先は闇」─。岸田文雄首相はこの言葉をかみしめているのでないか。昨年10月に就任後、衆院選と参院選に勝利して順風満帆と思えたが、安倍晋三元首相の国葬や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題、物価高騰、相次ぐ閣僚の辞任などで、内閣支持率は急落、低迷している。防衛費増額方針を巡って与野党の動きも活発化する中、岸田政権復活の処方箋はあるか。自民党岸田派(宏池会)で長く首相を支え、昨年政界を引退した三ツ矢憲生・元外務副大臣に聞いた。 首相官邸に入る岸田文雄首相(左)=2022年12月12日、東京・永田町【時事通信社】 【目次】 ◇日本の課題を洗い直す ◇被害者救済法は波乱含みの法律 ◇首相の理念が見えない ◇なぜ防衛費増額はGDP比2%なのか ◇今の宏池会、国民が望む姿か 日本の課題を洗い直す ─内閣支持率低下の原因は何か。 基本的に岸田派は第4派閥で、政権基盤は盤石でないが、衆院選、参院