土地の貸借契約が満了となる2016年3月末で閉館の見通しとなっている県立近代美術館鎌倉(近美鎌倉、鎌倉市雪ノ下)の建物存続問題で、同館ゆかりの有識者が参加したシンポジウムが14日、鎌倉商工会議所(同市)で開かれた。パネリストからは、建物保存や活用を支援する組織づくりを求める声が上がった。県は、14年度中に建物の今後について方向性を示す。 シンポは、鹿児島大建築学科が主催。建築学的に価値が認められている近美鎌倉の存続を考えようと大原美術館の高階秀爾館長、建築家の阪田誠造さんら5人がパネリストに招かれた。 鍵を握るのは、近美鎌倉が立地し、土地所有者でもある鶴岡八幡宮の意向。更地での返還を強硬に求めなければ、建物が取り壊される確率は低くなる。高階館長は「八幡宮の宮司さんと1カ月ほど前にお会いした。建物の意味を認めており、残す方向で考えたいと思っているように私は受け取った」と打ち明けた。その上