「あいちトリエンナーレ2019」における「平和の少女像」の展示が、日本政府と右派勢力の妨害によって危機にさらされていた2019年8月。日本での報道は少なかったが、ドイツの首都ベルリンでも、同じ作者による「平和の少女像」が、女性芸術家グループGEDOKが主催するイベントで展示されていた。 また、その像は韓国系団体によって、8月14日の”日本軍「慰安婦」をたたえる日”に、ベルリンの名所であるブランデンブルク門の前にも展示された。この像は、同年初頭にルール地方の都市ドルトムントのLWL産業博物館で展示されていたもので、ドイツ全国をめぐる巡回展へと発展していた。 日本軍「慰安婦」問題は、日韓関係のみに限定されてよい議題ではない。戦時性暴力の問題は、全世界にある。特にドイツは日本と同様、第二次世界大戦において公権力が組織的に「性奴隷制」に関与したという負の歴史を抱えている。「平和の少女像」を通して、