進化生物学の開祖ダーウィンの自然選択説は、厳しい自然環境が、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を選別し、進化に方向性を与えるという説である。 生物の進化は、生存と繁殖に有利な個体が残り、不利な性質を持った個体は淘汰されていくはずなのだが、ダーウィンは「集団で社会を作る蜂や蟻のワーカーに見られる、自分では子を産まず女王のため、社会のために働くという性質が、なぜ自然選択により進化できたのかわからない。」という疑問を残してこの世を去った。 その疑問を解明すべく、北海道大農学研究院の長谷川英祐准教授(進化生物学)らが「シオカワコハナバチ」を使って研究を進めたところ、子を産まずに巣の維持に専念するメスがいる方が、幼虫の生存率が大幅に上がることが判明した。