朝、目が覚めたときに、「ぐっすり眠れた」「よく寝た」と思えたときは気分がいいもの。1日の始まりとしては申し分ないが、睡眠学の最新の研究によれば、実は「深い睡眠」が「よい睡眠」とは限らないということが明らかになっている。 【グラフで見る】夜型はなぜ増加したか。睡眠不足大国ニッポンの現実 深い睡眠とは、眠りはじめの数時間にあらわれるノンレム睡眠のこと。大脳皮質の活動を休めるために発達した高等動物ならではの睡眠で、脳波はゆっくりとなり、脳がしっかり休むことができる。また、深い睡眠は年齢とともに減り、高齢者になるほど短くなることも知られている。 『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(日経BP社、川端裕人氏と共著)を上梓した、日本の睡眠研究をリードする国立精神・神経医療研究センターの三島和夫先生は説明する。 「たとえば、高齢者の深い睡眠が若者並みに増える特殊な治療薬があります。これ