日本理化学工業株式会社 取締役会長 大山泰弘さん 1932年生まれ、中央大学卒業。父親が戦前に設立した日本理化学工業に後継者として入社。74年、社長に就任。60年に初めて知的障害者を雇用して以来、一貫して障害者雇用を推進する。2008年より現職。著書に『働く幸せ 仕事でいちばん大切なこと』(WAVE出版)など 同情心からスタートした障害者雇用 私が会長を務める日本理化学工業はチョークの製造メーカーで、全80名の社員のうち、7割を超える60名が知的障害者。しかも、そのうち半数近くが「重度」に該当します。 そう聞くと皆さん驚かれるのですが、知的障害者が主力でも、チョークの品質や生産性は業界トップクラス。数字が苦手な知的障害者でも正確に分量・サイズを測れる道具や、作業時間を短縮できるような段取りを工夫した結果、川崎の工場ではJIS規格をクリアした高品質のチョークを1日に10万本製造しています。