スポーツウエアのフェニックス(東京、ワン・ヤレイ社長)は、今年12月31日をもって事業を終了すると取引先に通知した。スキーウエア「フェニックス(PHENIX)」や伊アスレチックウエア「カッパ(KAPPA)」などを販売する創業68年の老舗企業。2008年に中国のスポーツ用品メーカーである中国動向集団の傘下に入ったが、業績低迷に歯止めがかからず、今年の新型コロナウイルスによって引導を渡された格好だ。事業終了後のブランドや店舗の扱いについて同社は「コメントできない」としている。 日本のスキー用品業界の草分け的な存在だった田島一男氏が1952年に創業した同社は、80年代にはスキーウエア、アウトドアウエア、ゴルフウエア、ストリートウエアなどに業容を拡大。80〜90年代のスキーブームのけん引役となり、ピーク時の96年には売上高が320億円に達した。しかしスキーブームの終息によって業績が低迷し、2004