日本ビクター本社(横浜市神奈川区守屋町3丁目)にある市歴史的建造物「第1工場ファサード」の扱いが宙に浮いている。本社は移転が決まっているが、親会社JVC・ケンウッド・ホールディングス(同)が移転費用の工面に難航。市が京浜臨海部で初めて認定した歴史的建造物の存続に黄信号がともる。市によると、解体という事態になれば「横浜松坂屋本館」以来2例目になる。 「ファサード」は正門入り口にある1階建ての建物。1930年に完成した。当時東洋一と呼ばれた蓄音機の製造工場で、ビクターのシンボルとなっている犬(ニッパー)が蓄音機に耳を傾けるおなじみの図柄も彫り込まれている。 横浜市は99年度に歴史的建造物に認定し、外観の保全費用など約600万円、維持管理費用を年間30万円助成している。これまでの助成総額は約900万円になる。 JVCケンウッドは6月、ビクター本社・横浜工場を佐川急便のグループ会社SGリアル