2019年にアメリカ、シアトルのレーベルLight In The Attic(ライト・イン・ジ・アティック)からリリースされた日本の環境音楽を集めたコンピレーション・アルバム『Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980–1990』(以下『Kankyō Ongaku』)が始まりだった。 アナログ・レコードで3枚組のボックス・セットに全23曲が収められたアルバムは、グラミー賞最優秀ヒストリカル・アルバム部門にもノミネートされた。 その歴史的な価値が認められたのだ。 アンビエント・ミュージックとは少し異なる背景を持った、この日本発の環境音楽は、シティポップのように欧米のリスナーを魅了することとなった。 だが、シティポップほどキャッチーな音楽ではない環境音楽は、一体どのように受け入れられていったのだろうか。