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ブックマーク / howardhoax.blog.fc2.com (3)

  • 芸術家であることと芸術家でないこと  ジョン・カサヴェテス論

    ジョン・カサヴェテスの映画を見る経験は、何ものにも代え難い。カサヴェテスの映画を良いとも言いたくないし、悪いとも言いたくない。面白いとも言いたくなければ、面白くないとも言いたくない。美しいとも言いたくなければ、美しくないとも言いたくない。 ジョン・カサヴェテスの映画は、そのような単純な判断から隔絶したところにある。スクリーンの向こうに写っている映像が、単に自分の外部にある別の世界だとは思えない。そこにあるのは自分自身の魂の延長である、自分の人生の一部である。自分の人生を振り返り距離を置いて反省しつつある時ならともかく、今まさに生きられている自分の人生は、良くも悪くもなく、面白くも面白くなくもなく、美しくも美しくなくもない。それは単に、生きられている。 だがもちろん、それでは何も言ったことにならない。私は、カサヴェテスの映画の価値は分析不可能であるなどと言いたいのではない。言葉にできないほど

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  • The Red Diptych テリーマンの偉大さについて

    テリーマンの偉大さについて語らなければなりません。 テリーマンの何が偉大かと言うと、そう、まずは、名前が偉大です。 基的にはこのような名称もアメコミ起源なのだとは思いますが、キャラクターの名前が「○○マン」というようなものになっている場合、「○○」の部分には、ごく一般的な普通名詞や形容詞が入るのがふつうでしょう。一般的な言葉だからこそ、個人の属性を表すことによって、固有名詞へと変化させることができるわけです。 例えば、「バットマン」や「スパイダーマン」は、生物を表す一般名詞を元に、固有名詞へと変化させていることになります。あるいは、「スーパーマン」や「ワンダーウーマン」なんかは、指示される個人のことを指す形容詞をそのまま固有名詞にしている例ということになるでしょう。 ……しかし、「テリーマン」とは、いったいなんなのでしょうか。もちろん、「テリー」とは、固有名詞です。もともとが固有名詞であ

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    Geheimagent
    Geheimagent 2018/02/18
    田上と川田のくだりで爆笑した。
  • The Red Diptych 『ドン・キホーテ』に関する覚え書き

    2014-06 « 123456789101112131415161718192021222324252627282930 » おそらく、『ドン・キホーテ』ほど、その主人公に対する世間一般のイメージと実像とが著しく乖離している小説は存在しないと思われる。 その主人公の名は、誰もが知っている(いや、たとえそのキャラクターは知らなくとも、少なくともその名前だけなら、誰もが知っている)。だがその実像は、ほとんど誰にも知られていないと言っても過言ではないのだ。 時代遅れの騎士道小説を読み耽ることで、幻想的な空想世界と現実との区別がつかなくなり、ついには自分もまた一人の騎士であると信じて冒険の旅へと出発した男、ドン・キホーテ。 やがて、冒険の途上で出くわした風車が邪悪な巨人であると心から信じ込み、全力で突進するに至る。 ……おそらく、人口に膾炙しているドン・キホーテのイメージは、せいぜいがこの程度の

    Geheimagent
    Geheimagent 2014/06/13
    面白かった。新訳出たら読み直そう。
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