ゼロ・オプションというのは、国立競技場を新たにつくらないという選択肢です。 現在の我が国の財政状況を考えれば、たとえオリンピックといえども無駄なコストをかけることは避けなければなりません。 政府としてまず検討すべきことは、本当に、新競技場を国費で建設することが必要かどうかです。 オリンピックのために新国立競技場に必要な要素は三つです。 開会式、閉会式のための六万人収容のスタンド 陸上競技のための三万人収容のスタンド、サブトラック サッカーのための天然芝、五万人収容のスタンド 陸上競技の大会には、サブトラックが必要です。 しかし、新国立競技場にはサブトラックをつくる場所がありません。これまでの計画では、外苑の軟式野球場にサブトラックを仮設でつくり、オリンピック後に取り壊すというものです。 オリンピック後は、立派な陸上競技場は残りますが、サブトラックがない以上、この競技場では、国際大会は