まずは唐戸市場です。昭和8(1933)年に開設された地方卸売市場になります。施設の老朽化のため、下関港ウォーターフロントの中核施設として平成13(2001)年に隣接する埋立地に新築移転されました。すなわち、平成13(2001)年の建物。紛れもない現代建築です。レンガ風タイル張りのモダンな外観を持ち、内部は東西で卸売場と仲卸売場に分けられています。2階まで吹き抜け構造でほぼ正方形の大空間が2つ並んでいるような具合です。 新鮮な魚介類が豊富ですが、菓子や総菜、酒類にパンなども扱っており活気があります。簡単なふぐ料理や寿司もいただくことができ、旅行者でも気軽に利用できるのが魅力です。 さて、建築という視点で見てみましょう。一般客も買い物ができる仲卸売場は規則的に列柱が並べられているのに対し、競り場となる卸売場には屋根を支える柱がありません。吹き抜けで約50メートル四方の大空間に柱が一つも無いので