NBA名門チームにおける最近の人事から、データ活用を目指したチームの思惑が見え隠れする。『マネーボール』で描かれたようなデータ主導型のチーム運営が本格化するのだろうか。 プロ経験の全くない大学バスケットボール・チームのヘッドコーチ(HC)が、NBA(米プロバスケットボールリーグ)きっての名門チームから新たなHCに指名された。この異例の大抜擢の背後に、データを活用しながら新しい「王朝づくり」を狙うチーム側の思惑が見え隠れする……。今回はそんな話を少し紹介する。 NBAにボストン・セルティクスという老舗のチームがある。過去の優勝回数17回(30チーム中最多)を誇り、2000年代に入っても優勝した2007~2008年シーズンから5シーズン連続でプレイオフ進出を続けている強豪チームである。そんなセルティクスが7月初め、空席となっていたHCにブラッド・スティーブンスという「新人」を起用すると発表し、