世の中には、ガキ大将が必要だ―――。 「地域社会の消失」「下流社会」といった社会問題に注目。 深い問題意識と危機感を抱き、積極的に発言する。 会社にもガキ大将を生む環境が必要と説く。 「平凡な私たちは、まず目の前の峠に登ろう」。 日々の率直な議論と研鑽。対話と努力が、リーダーを創る。 今年夏に会長を退任しました。読書が好きでね、会長室を整理していると、たくさんの本が出てきました。どれもが思い出深いものですが、秘書や役員たちに差し上げた。でも一冊、どうしても手放し難くて持って帰った本があります。元文化庁長官で京都大学名誉教授だった故・河合隼雄さんの自伝的小説『泣き虫ハァちゃん』(新潮社)です。通勤の電車の中で読んだのですが、途中で声を出して笑いそうになったり、涙が出てきそうになったりで困りました。 この本には、5人兄弟の3番目の兄である、ガキ大将のマト兄ちゃんが登場します。ある時、3歳の小さ