朝ラジオをつけたらフィリピンでのコメ不足問題を扱っていた。十数名の子どもを食わせるのは大変といった声を聞いて、それは確かに大変だろうけど同時に立派なものだなとも思った。日本も昔はそういう時代があった。 私は1957年生まれで団塊世代から十年ほど下になる。団塊の世代には飢えの記憶がある人もいるかもしれないが、「ひもじさ」のほうが鮮烈だろう。私の世代になるとそこからも脱却している。しかし世界の飢えの問題はまだ解決されたわけではない。それでも私の子どものころに予想されていた悲劇的な食糧危機のかなりの部分は緑の革命が変えた。功罪はあるのだろうが。 今朝の朝日新聞社説”食糧高騰―市場の暴走が飢餓を生む”(参照)が関連の話題を扱っていた。朝日新聞によれば全世界的に食糧不足の時代なのだそうだ。 地球上を妖怪が歩き回っている。食糧不足という妖怪だ――マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」流で言えば、こうなる