(「上」から読む) 今年6月、食品世界最大手ネスレが米食品大手サラ・リーを訴えた。サラ・リーが、ネスレのコーヒーシステム「ネスプレッソ」で使える“非純正”カプセルを販売し、ネスレの特許を侵害しているというのが、その理由だ。 ネスプレッソは、コーヒーの粉を密封したカプセルを使ってエスプレッソを入れる、ネスレ独自のコーヒーシステムだ。最大出力19気圧のポンプを制御し、コーヒーのブレンドの種類に応じて11~15気圧をカプセルに加えてエスプレッソを抽出するという、同社が培ってきたコーヒー分野のイノベーションの粋を結集した商品である。 ネスレでネスプレッソや販売・マーケティングを担当するエグゼクティブ・バイスプレジデントのペトレア・ハイニケ氏は、「サラ・リーの特殊性は、彼らのカプセルがネスプレッソで使えてしまうこと。これまでも類似のカプセルはたくさん出てきたが、各社の専用マシンでしか使えなかった。ネ