2022年アメリカ/原題:The Whale/監督:ダーレン・アロノフスキー/117分/2023年4月7日〜日本公開 私にとってのダーレン・アロノフスキー作品の醍醐味は、やはりクライマックスの異常なまでの高まり、全てをなぎ倒すほど圧倒的なカタルシスの感覚だと思う。 彼の映画を見た後の「何かものすごいものを見てしまった・・・」という言葉を失うような呆然感は、なかなか他では味わえない。 ただ、「ブラックスワン」や「レスラー」はオールタイムベストに挙がるほど好きな反面、前作の「マザー!」がとても苦手だったので(しかし記憶には残る)、今回は少し二の足を踏んだけど、見て良かった! 再び「レスラー」のような、人間のどうしようもなさと偉大さにがーんと打ちのめされるような作品だった。 人間の醜さやこの世界の暴力性をありていに描きながらも、痺れ、悶えるような人間讃歌になっている。 ほぼ全編が、外の日差しを遮
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