2023年/監督:金子由里奈/109分/2023年4月14日〜公開 前置きが長くなってしまったけど(前記事)、この作品、とても良くてびっくりした。 素朴で拙さのある表現が味、というタイプの作品なのかな、とちょっと思って見たのだけど、全然。 むしろ手練れているというか、相当映画制作についてよく知っている人なのだろうと感じた。 くどくどしくなく、最小限の要素で必要なことが全部分かる洗練性がある。 この作品の持つ間も、ムードも、とても好き。音楽も良かったなあ! これからもどんどん作ってほしい、また楽しみな監督が増えて嬉しい。 何しろ冒頭のタイトルバックの時点で、もうはっとさせられるのだ。 ああ、ここにはひとつもとげがない、とげがないということは、なんて安らぐことなんだろう、と。 この作品を見ていると、自分はいかに暴力的な、残酷性のある社会に生きているのかを意識せずにはいられない。 そのことに耐え