筆者は電子工作を趣味としていますが、本業は炭素・黒鉛材料の化学です。大学では化学の専攻で、分子構造模型を使って勉強しました。この分子模型の例として、筆者が学生の時に購入したものを写真1に示します。古いので、結合棒が少し黄ばんでいます。 今回組み立てたのはベンゼンとブタジエンで、添付されているスケール(分子模型を測るとオングストローム単位で読みとれるように目盛りが刻まれている)を用いて分子サイズを推定することも可能です。 写真1――分子構造模型の例(ベンゼンとブタジエン) これとは別の種類の分子模型もあります。写真2はいずれもプロパンを組み上げたものです。 写真2――別種の分子構造模型(いずれもプロパン) これらの分子模型は分子の構造を勉強するのに役立ちますが、欠点は高価であることです。写真1のものが比較的安価ですが、それでも黒い炭素原子12個と酸素原子2個窒素原子2個がセットになって14