当時普及していたNEC製PC-9800シリーズの画面サイズは640×400ドットという現在からすれば低解像度のグラフィック機能しかなく、1991年に発売されたWindows 3.0においても画像が狭く使い勝手が非常に悪かった。 また、MS-DOS上で動作する一部のCADソフトでは対応のグラフィックボードによる高解像度化が可能であったが、そのボードは1枚100万円とあまりにも高く個人レベルで購入できるものではなかった。そうしたなかで、CADソフトメーカーから「安価なグラフィックボードを開発してもらえないか。 1677万色と1024×768ドットが実現できれば、描画速度が遅くても構わない」と相談された。CADソフトメーカーも、より低価格なグラフィックボードを求めていたのである。 これまでグラフィックボードを開発したことはない。開発を担当した城之前伸一は『右も左も分からないまま、開発をスタートし