【パリ福原直樹】フランスの共和国法院は4日、国際通貨基金(IMF)トップのラガルド専務理事(55)が、仏財務相に在任中の07~08年、不正な政治的圧力を行使した「権力乱用」の疑いがあるとして、本格捜査の開始を決めた。ラガルド氏は7月、専務理事に就任したばかりだったが、今後の捜査の行方次第では、その進退が問われる可能性も出てきた。 仏当局によると、仏大手銀行「クレディ・リヨネ」と仏の実業家が90年代の企業売却をめぐり争っていた損害賠償問題で、専務理事は実業家に有利になるよう政府の調停委員会に介入した疑いがもたれている。銀行は90年代当時、一部国営だったため、仏政府は08年、実業家に2億1000万ユーロ(約230億円)の賠償金を支払った。報道によると、実業家はサルコジ大統領ら政権に近いとされる。 ラガルド氏は、ストロスカーン前専務理事が性的暴行罪で米国で告訴され、辞任したことを受けて後任に立候