内田樹さんは「ためらいの倫理学」の中で、スーザン・ソンタグへの批判を展開している。僕は、スーザン・ソンタグについてほとんど何も知らないが、ちょっと調べた限りでは、リベラルで良心的な立ち位置に立つ人ではないかと言うことは分かった。だから、この批判に関しては、内田さんが述べている限りでのスーザン・ソンタグのイメージに関しての批判と言うことで受け取るのだが、共感する部分から批判の方法を学びたいと思う。 「作家の最も重要な責務として、ともかくどうあるべきか……真剣さを失わないことが必要なのです。シニカルでは(斜に構えていては)いけない。そして証言すること。被害者のために声をあげて語ること。」 この文章だけを取り上げる限りでは、ここに批判すべきものを見つけることは出来ない。良心的で真摯な発言だと思うだけだ。知識人という、多くの人に影響を与える立場にいる人間としては、これだけの責任を自覚していなければ