【ジュネーブ伊藤智永】スイスの総選挙は23日深夜、下院200議席の大勢が判明し、右派から左派まで既成5政党は軒並み、得票率で07年の前回選挙を下回ったのに対し、経済成長と「脱原発」の両立を訴えた新しい中道2政党が躍進した。福島第1原発事故後、「脱原発」への政策転換を主導した社会民主党は、既成政党で唯一議席減を免れた。 主要各党の獲得議席数と07年選挙からの増減は次の通り。(その他は諸派・無所属) 国民党55=7減▽社会民主党44=1増▽自由民主党31=4減▽キリスト教民主党28=3減▽緑の党13=7減▽自由緑の党12=9増。市民民主党は9議席だった。 移民排斥を主張する最右派の国民党は第1党を守ったが、08年に極端な政策を嫌って同党から離脱した中道右派の市民民主党に勢力をそがれた形。「自由緑の党」は、04年に「緑の党」を離党したメンバーが結成し、環境保護と経済成長の両立を目指す中道左派。