わたしはサイモン・シンの『暗号解読』を訳した関係で、暗号まわりのことは多少知っているつもりでした。第二次世界大戦期についていえば、ナチスドイツの暗号であるエニグマはもちろんのこと、解読不能な天然の暗号として使われたナヴァホ語、そしてナヴァホ族の兵士である「ウィンドトーカー」たちのことも。ウィンドトーカーの存在も戦後しばらくは知られていませんでしたが、たしか1980年代には、子ども向けの人形、GIジョーのシリーズにも「ウィンドトーカー人形」が加わって、周知されることになったはずです。 ですが、この『コード・ガールズ』に書かれた若き女性たちの活躍のことは、これまでわたしも知らなかったです。もう、本書は知らないことばっかりでびっくり! 彼女たちは、戦後になっても、大戦中の自分たちの貢献を認めてもらおうとは全然しなかったし、今日に至るも(存命者は今もいます)、職場を離れたら口にしてはいけないとされ