大阪府内の中学校の英語の授業。生徒たちが手にしているのは、人気の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」だ。慣れた様子でタッチペンを使って解答している。担当教諭は「じっくり考える力を養うのには向かないが、反復学習には効果的。単語力は確実についた」と話す。 ゲーム機の活用は、平成20年秋に大阪府知事の橋下徹が打ち出した学力向上策の目玉。府教委は現在、小中学校20校に40台ずつ貸し出している。 しかし、ゲーム機を使った授業をわずか半年でやめた中学校もある。「生徒は飛びついてくれるが、学力が伸びているという効果が感じられなかった」と校長が声を潜める。「ゲーム機を使うより、紙に鉛筆で書いた方が身に付く」というのがその理由だ。 それでも橋下は「学校の先生や地域などがやる気を出せば学力向上策はかみあう」と訴える。