将棋の中尾敏之五段(43)が27日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第44期棋王戦予選準決勝で青嶋未来五段(23)に先手番の126手で敗れ、現役引退が確定した。 勝てば現役続行、敗れると現役引退の大一番を白星で飾ることは出来なかった。終局後、中尾五段は「残念でしたけど、精一杯やった結果なので悔いはないです。青嶋君は強かった。人生が懸かった勝負でしたけど、特にプレッシャーもなく戦えました」と語った。誠実な受け答えを貫き、「将棋は魅力的なゲーム。魅力的なゲームだから、ずっと続けて来られました。精一杯やりました。引退するのも人生だと思います」と、少年の頃から魅了され続けた世界に感謝を告げた。 静岡県富士市出身。1998年に四段(棋士)昇段し、デビュー。その後、2008年の順位戦C級2組で3度目の降級点を取り、順位戦参加資格のない「フリークラス」に陥落した。将棋界には、フリークラス陥落後、10年以