ボブ・ディランが登場した29日の「フジロック・フェスティバル2018」。会場の新潟県湯沢町の苗場スキー場には、27~28日の2日間と比べて、中高年の姿が目立った。大雨が降ったかと思えば、日が差す不安定な天気に参っているかと思いきや、ディランファンたちは並々ならぬ気合で臨んでいた。 「あらかじめ、ボブの優れた点を教えておくけど」 ディラン登場まであと5時間に迫った、午後2時ごろ。そのステージの目の前に来た高橋誠一郎さん(65)に記者が声をかけると「解説」が始まった。高橋さんによると、ディランの優れた点は、文学者(歌詞)、作曲家、曲の神髄を表現する歌のうまさなど。「苦悩を抱えた感じだけど、実はユーモアのある面白い男だよ」 唐突に質問された。 「ボブの音楽の種類はなんでしょう?」 えっと、ロック? フォーク?……。 「間違ってはいないけど、一部分にすぎない」 では何……。 「じゃあ、ゆっとくね。