吾輩は就職氷河期世代である。ボーナスも残業代も、正社員になったことも、まだない。バブル崩壊後に社会に放り出され、金融危機や雇用劣化の煽りをまともに受け続けてきた氷河期世代はいま、非正規雇用から抜け出せないまま中年となった人たちが少なくない。声をあげ始めた当事者たちに、43歳・非正規ロスジェネ記者が聞いた「怒り」「あきらめ」「格差」とは──!? 【写真】約40人が集まり苦悩を分かち合った『ロスジェネ食堂』の一コマ 「ずっと工場や製造業で働いてきました。半年ほど勤めて、クビを切られての繰り返し」 そう話すのは、埼玉県で暮らす高橋誠さん(仮名=44)。ハローワークに何度も足を運んだが就職につながらず、派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用から抜け出せない。 「4歳上の兄と2人で、実家で暮らしています。兄の収入で食べている状況。両親は亡くなりました。パソコンのスキルや資格を活かしたいけれど求人は皆無