この花は、まことの花にはあらず@風姿花伝 - 地下生活者の手遊びおよび一期の堺ここなりと、生涯にかけて@風姿花伝 - 地下生活者の手遊びのつづき 三十四、五 三十四、五 このころの能、盛りの窮めなり。ここにて、この条々を窮め悟りて、堪能になれば、さだめて天下に許され、名望を得べし。もしこの時分に、天下の許されも不足に、名望も思ふほどなくは、いかなる上手なりとも、いまだまことの花を極めぬ為手と知るべし。もし窮めずは、四十より能は下がるべし。それ、後の証拠となるべし。 拙訳 このころの能が最盛期である。ここでこの文章の本意をつかみ、能を自らのものにすれば、まちがいなく天下に認められ、名声を得ることができよう。もしもこの時期に、世間の認知度も不足し、名声もそれほどでないのであれば、どれほど巧みであっても未だに真実の花を極めた役者ではないと理解しなければならない。極めることができなければ、四十を過
![そして、ついには一輪の花となる@風姿花伝 - 地下生活者の手遊び](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/59762801508638c54463eb791b15b32561a19478/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51zKMBPePfL._SL160_.jpg)