1、作品の概要 1991年に刊行された江國香織の長編デビュー作。 紫式部文学賞受賞。 1992年に映画化。 文庫版で201ページ。 12章からなる恋愛小説で、笑子と睦月がそれぞれ一人称で語る。 2、あらすじ 新婚の睦月と笑子はお互いに脛に傷を持つもの同士。 睦月はゲイで、結婚後も紺くんという恋人を持ち逢瀬を繰り返す・・・。 笑子はアル中気味で情緒不安定で、精神科の受診歴もあった。 そんな、「普通」とは程遠い結婚生活。 触れ合うことがなくても、静かで穏やかな愛情が2人の間に流れていた。 柿井と樫部さんのゲイカップル、紺くんも笑子の不思議で率直な魅力に惹かれて不思議に親密になっていく。 しかし、ままごとのような結婚生活にも徐々に亀裂が入っていく。 睦月の優しさは笑子を傷つけて頑なにしてしまう。 加えて、お互いの秘密を隠していた両親との関係もこじれ始めて・・・。 名前のついていない感情。 水の檻