文部科学省はこのほど、来春卒業予定の大学生の就職内定率が10月1日現在で前年同期に比べて4.9ポイント減の57.6%となり、調査を始めた1996年以降で最低となったと発表した。これは不況のための一時的な現象ではなく恒常的である可能性がある。グローバル化の進展で、日本の大卒採用の構造が変化したと考えられるためだ。 【図表】田代秀敏氏作成ビジネス・ブレークスルー大学の田代秀敏教授は1995年から2010年まで、大学生の10月1日時点の就職内定率の推移をグラフ化し、GDPの粋と比べた(図表、95年は推定)。 景気も底堅く推移し、団塊世代の大量退職も影響した06~08年以外、2000年代の内定率は伸び悩み、90年代に比べても低い年が多い。田代教授は「企業が成長する新興国での採用にシフトしたことが一因ではないか」と指摘する。 同教授は、ある日系大手証券の幹部から次のように聞いたという。「日本でのビジ