2009年8月23日のブックマーク (1件)

  • 覚醒剤の社会史

    そう、ぼくは告白しなければならない。この世でもっとも耐えがたいのは、 母がする物語、物語と呼べる代物でないとしたら昔話、そしてその反復。 もっと耐えがたいのは、その反復を母が実際に生きたということ。     −高橋源一郎『日文学盛衰史』 ISBN: 4-88713-671-4 はしがき 書のはじまりは、直接的にはほぼ九年前に、たまたま船で一緒になった人と交わした短い会話である。それ以前もそれ以降も、私は覚醒剤に代表されるド ラッグについていろいろと調べてきたが、あの短い会話がなければ書はまったく違った形になっていたように思う。とはいえ、それはごく普通の世間話であ り、おそらく聞き流すべきものであったはずだ。それでもそのとき以来、私のなかに何かが残ってしまい、ドラッグの研究を続けるうえで、その何かをいつかは 考えなくてはならないだろうと思ってきた。 しかし九年というのは、