JR東京駅前の丸善丸の内本店に2009年、編集工学研究所長の松岡正剛氏のプロデュースでオープンした実験的な店舗「松丸本舗」が、9月末で閉店することになった。 同店4階の200平方メートル余りの空間に迷路のように書棚を配置。ジャンルや著者による分類にこだわらずテーマごとに特集したり、読書家の書棚を再現したりするなど様々なコーナーを設け、5万冊の本との意外な出合いを演出する仕掛けが話題となった。アマゾンなどのネット書店に対抗する試みとしても注目されたが、東京駅の目の前という一等地に見合う売り上げを上げられなかったのが理由のようだ。 まとめ買いする客が多い反面、ユニークな空間を見るだけの人も少なくなく、1~3階の一般売り場に比べ、売り上げでは苦戦。実際には松丸本舗目当てに来店した客が別の階で本を買うことも多く、「集客のための宣伝効果やイメージアップ効果は大きかった」と松岡氏は言う。しかし、10年