[第31回] 日本は低学歴過ぎないか 「大学院」を育てよう 出口治明 Haruaki Deguchi ライフネット生命保険社長 わが国は未曽有の危機にある。少子高齢化や財政破綻より深刻なのは、政府、企業、学校・教育、個人、あらゆるレベルにおける国際的な競争力の劣化だ。 ここでは学校・教育の問題を取り上げる。例えば日本の大学で、国際的な大学ランキングのトップ10に入る大学はあるだろうか。学者間の評価などを基にした英国の教育情報会社QS社による最新調査では、世界における日本の最高位は東京大学の22位である。サッカーのワールドカップでいえば、決勝トーナメントに進めず、予選落ちだ。経済は世界3位以内でも、大学教育はこの体たらくである。 日本は大学院の進学率で見ても、先進国の中で明らかに低学歴国だ。 出口治明氏 経済協力開発機構(OECD)によると、人口1000人当たりの大学院の在学者数は