歯周病病原微生物としてカンジダが登場したのは数年前のことであり、神奈川県のある開業歯科医が「歯周病は口腔カンジダ症の一病型であり、その治療には抗真菌剤の使用が有効である」と提唱したのが発端である。彼の提唱を支持する開業歯科医が現れ、電子情報社会の情報伝播の速さも手伝い歯周病・カンジダ・抗真菌剤というキーワードは瞬く間に歯科医療現場に広まり、さらにこの事を朝日新聞、週刊現代が取り上げるなどマスコミが絡んだため、社会にも歯周病に対する誤った認識を与えた。 歯周病カンジダ病原説、抗真菌剤の有効説に対して、日本歯周病学会は当然の事ながら関心すら示さなかったが、歯科臨床の現場や社会に少なからず混乱がある事を認識し、これらに対応して、「正しい歯周治療を目指して−抗真菌剤の使用を批判する」というタイトルの論文を出した。 学会の見解で、歯周病に対しての誤った認識は解決したものと考えていたが、再び神奈川