研究費で購入された寸胴鍋。業者に特別に作らせたものという。上に載っているのは麦とビンのふた=大阪府吹田市の大阪大、大学関係者提供 ビール製造用の大型鍋、遊興用の避妊具……。4千万円を超す研究費の不正使用が判明した大阪大の研究室の支出のなかには、適正な購入と認められたものの、不可解な物品も数々ある。この研究室の教授だった森本兼曩(かねひさ)特任教授(64)は大阪大の調査委員会に対し、研究や教育目的だったと説明。調査委は「自由な発想のもとでの研究には必要」としている。 研究室の倉庫として使われている冷温室。新品の大型鍋三つ、ビールの原料の麦、瓶詰用のふたなどが入った段ボールが置かれている。 鍋はいずれも2008年2月、森本特任教授が文科省の科研費で栃木県の業者から計19万9500円で購入した。業者によると、ビール製造用の特注品。研究室が提出した書類には「研究で必要なため購入」と記されてい