「被害者の冥福を心から祈って、今後の生活を送って」−−。猪名川町の民家で義姉を殺害したとして、殺人罪に問われた浜田順子(よりこ)被告(68)の裁判員裁判は3日、神戸地裁で全国で初めて執行猶予付き判決が出た。佐野哲生裁判長が説諭すると、浜田被告は涙ながらに「ありがとうございました」と頭を下げた。一方で、公判中の証拠の扱いなどについて、裁判員経験者の記者会見では課題も指摘された。 会見には裁判員6人と補充裁判員3人全員が、顔を明かしての写真撮影を含めて取材に応じた。検察側が証拠提出した被害者の遺体写真について、西宮市の女性(64)は「見るのは嫌だったが、必要だと思った」と答える一方、尼崎市の会社役員、山崎健さん(59)は「写真を見るには抵抗があり、必要がないと思い見なかった」と話した。証拠提出された精神鑑定書については、少なくとも2人が「読んでいない。『心神耗弱』の言葉などは、裁判官の説明で