ジョージ・W・ブッシュ政権下でCEA委員長を務めたエドワード・ラジアーが、ジャクソンホールで失業について報告したが、それが意外にも需要不足を認めるものだった、としてMark Thomaやクルーグマンが好意的に取り上げた。 それに対しAndolfattoが、いや、ラジアーは失業が構造的なものではないとは言ったが、需要不足を認めたわけではない、と反論した。ThomaがソースにしたWSJブログ記事の記者が素人だったため、需要不足という言葉に翻訳してしまったが、ラジアー自身はその言葉は口にしていないはずであり、論文にもその言葉は見当たらない、というわけだ。しかし、コメント欄にThoma自身が降臨し、別のWSJ記事をソースとして示すに及ぶと、まあ、そういうことなら実際にそう言ったのかも知れないが、ただ、その需要不足というのはケインジアン的な意味では無いだろう、と急に歯切れが悪くなっている。 往生際が
ジャクソンホールで提示した論文でマイケル・ウッドフォードが名目GDP目標支持を表明したことで、市場マネタリスト界隈がちょっとした祭り状態になった: スコット・サムナー デビッド・ベックワース(邦訳) ラース・クリステンセン Marcus Nunes もちろん、大物経済学者の発言だけに、市場マネタリスト以外の注目度も高く、WSJブログがバーナンキ以外で最も注目される講演と評したほか、クルーグマンも「Important stuff」と評している。 そうした中で、ロバート・ワルドマンとStephen Williamsonという経済学者としてはおよそ両極に位置する2人が、ウッドフォードに批判的なコメントを寄せているのが興味深い(言うなれば、オールドケインジアンとニューマネタリストが、ニューケインジアンの代表的な金融学者を挟撃する、という構図になっている)。 ワルドマンはマシュー・イグレシアスのブロ
Twitterで朝つぶやいたものをあまり直さず掲載。 FRBのPreventing Deflationという論文がある。昔、『エコノミスト』に部分訳と岡田さんの解説が収録されている。この論文はFRBが日本のデフレの経験に学んだとされるもの。いまも何度も読む価値がある。 このFRB論文を読み直すと、いまの日本の状況を考えるときに非常に参考になる、というか、私たちは同じ失敗を規模を数倍してくりかえしているとしか思えない。この論文では阪神淡路大震災のおきた95年が日本の決定的な岐路だったことを指摘している。つまり長期停滞への岐路だ 93、94年の金融政策がきわめて重要だったが、やはりそのときも日本銀行は大規模な金融緩和の決意に遅れたしまった。FRB論文では「93から94年にかけての時期が、金融政策にとって決定的に大切な時期だったかもしれない」している。 FRB論文は日銀の態度をこう指摘する。日本
暫定的に作ってみました(継続的に増やすつもり)。何かあればウェルカム。ただし復興にはまずは増税みたいな阿呆な議論は無視します。作成には乙丸益伸さんの助力もいただきました。 田中秀臣2011-03-20「高橋亀吉&森垣淑『昭和金融恐慌史』と震災の経済史」) http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20110320 田中秀臣(2011-03-16)「復興の経済学ー関東大震災の経済学者たち」 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20110316 林敏彦「検証テーマ『復興資金―復興財源の確保』」 http://www.disasterpolicy.com/Project/recovery/No2_0816/fukkouzaigen.pdf 上野山・荒井(2007)「巨大災害による経済被害をどう見るか−阪神・淡路大震災、 9/1
以下の「デフレ脱却国民会議」が立ち上がった。日本では首相と日本銀行総裁が会うことすらも「ビックイベント」扱いという異常な体制をとり続けている。一種の二重政府状態に近いといっていい。「二重政府」状態は、日本が現在直面する経済危機をさらに深刻化してしまうだろう。特にデフレの長期間の放置は、下の趣意書に書かれているように、日本経済を決定的に痛めつけている。日本銀行法を改正し、まともな政策のフレームワークの構築、そして政府と日本銀行との積極的な協調が必要だと、僕個人はそう思っている。 この国民会議が今後どのような行動をするか、それに期待していきたい。なお以下の「呼びかけ人」はあくまでも今日現在のもので*1、少なくともそれに加えて数名の方が加わっているはずだ(それはいまも増え続けていると思う)。近い将来に国民会議主体のイベントも用意されていると聞く。どんどんやるべきだと思う。この国民会議だけではなく
語学と日常生活「第三の大恐慌」 米ニューヨーク・タイムズ紙 6/28付 ポール・クルーグマン The Third Depression By PAUL KRUGMAN 景気後退は普通のことだが、恐慌は稀である。私が知る限り、経済の歴史において、その時点で「恐慌」として広く形容された時代は二度しかない。一つは1873年のパニックに続くデフレと不安定性の数年間であり、もう一つは1929~31年の金融危機に続く大量失業の数年間だ。 19世紀の長期的な不況も、20世紀の世界大恐慌も、間断なき下落の時代ではなかった。その逆に、どちらとも、経済成長の局面が含まれていたのだ。しかし、こうした景気回復の局面も最初の不景気によるダメージを白紙に戻すだけの力強さは決して持っていなかったし、その後には不景気の再発が続いたのである。 我々は今、第三の大恐慌の初期段階にいるのではないかと私は危惧している。これは恐ら
ブログ パスワード認証 閲覧するには管理人が設定した パスワードの入力が必要です。 管理人からのメッセージ 閲覧パスワード Copyright © since 1999 FC2 inc. All Rights Reserved.
賃貸暮らしのわが家の地震対策【揺れから命を守る編】 以前のブログでも記載した、防災の優先順位に基づいて対策を進めています。まだ手をつけられていない部分もありますが、ある程度まとまってきたのでざっくりとご紹介していきます。 優先順位別に改善していっているため、今回は主に地震の揺れ対策がメインになります。…
既にご存知の方もおられることでしょうが、岡田靖内閣府経済社会研究所主任研究官が4月10日の晩にお亡くなりになられました。 twitter上で突然の訃報に触れ、頭が真っ白でいまだにその事実を受け止めることができないでいます。 今年の年明け頃に生死の境をさまよう病魔に襲われなさったこと、しかしながら、医師も驚くほどの奇跡的な回復を遂げご無事に職場復帰されたこと、については、mixiを通じて存じ上げておりました。 岡田先生とは残念ながら直接面と向かってお話をさせていただく機会を持つことはできませんでしたが、どういう経緯か、mixiや携帯メール等を通じて個人的なやりとりをさせていただいておりました。岡田先生が病院から一時退院なさった時には以下のようなメッセージを頂戴しました。 このさいだから「なんか川の向こうで是清とケインズやらフィッシャーが『まだ仕事終わってないから来るな』と叫んでいたので振り返
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く