社会貢献意識を持った若者が増加している。東日本大震災以降、その傾向は顕著に表れている。『絶望の国の幸福な若者たち』の著者で社会学者である古市憲寿氏(27)は、その要因としてリアリティが欠けて、自分探しをしていることと見る。社会貢献を通じた自分探しをする若者たちを古市氏はどう分析しているのか伺った。(聞き手・オルタナS副編集長=池田真隆、オルタナS特派員=河合和香) ■日本では生きている実感を感じられず、海外でリアリティを感じる ——社会貢献活動が若者たちの間で広まっています。なぜ、ここまで社会貢献意識を持った若者が増えているのでしょうか。 古市:まず、マクロに考えると、ある程度は自分の周辺のことに不便しないくらい日本が豊かな国になったことがあると思います。基本的に自分のことで精一杯だったら、社会貢献なんてしようとは思えません。 社会が豊かになりすぎたが故に、生きている実感を持ちにく