少子高齢化が進んだ平成の間、年金への関心は高まった。限られた財源をどう分かち合うべきか、世代間の折り合いをつける難しさが鮮明になった。制度への信頼を揺るがす運営組織の不祥事も頻発した。(編集委員・浜田陽太郎) 僕らの分は僕らで守る 2年前、慶応大の学生だった小池豪太さん(22)と金岡弘記さん(23)は驚いた。 「このままだと、若者から、今の受給者への年金資産の移転が続いちゃう」 社会保障のゼミで年金制度の成り立ちを勉強した。彼らがまだ小学生だった2004年、日本の年金は大きな転換を遂げていた。 それまでは一定水準の年金給…