前回は生産形態の区分として、「見込生産」(MTS)、「繰返し受注生産」(MTO)、「個別受注生産」(ETO)の3種類について説明した。この3種類を比べると、在庫リスクと納入リードタイムのトレードオフ関係が成立していることが分かる。見込生産は納入リードタイムは最短となるが、在庫リスク(売れ残りや陳腐化のリスク)は最も大きい。その対極にあるのが個別受注生産で、製品在庫は無いし原料在庫も(ほぼ)不要だが、そのかわり受注から出荷までのリードタイムは最長となる。 では、ちょうどいいバランス点はないのか、という疑問に対する一つの答えとなるのが、第4の生産形態=「受注組立生産」である。受注組立生産とは、部品をそろえておいて、客先からの注文が入ると、すぐに組み立てて出荷する生産形態を指す。それって繰返し受注生産とどこが違うんだ、と疑問に思われるかもしれない。違いは、二つある。 第一に、受注組立生産では、サ